社長・丹羽が本音で語る!住まいと暮らしここだけの話

2020.05.22

岩倉市の売土地事情

新築のお手伝いをしていて一番苦労するのは、岩倉市で土地を探すことかもしれません。 
 
なぜなら、注文住宅を建てたいお客様のご要望にマッチさせるのが非常に難しいからです。 
 
まず、岩倉市は小さな街で、土地の出物が少ないことが挙げられます。なんてったって愛知県内で一番面積が狭い市(しかも全国でも10番目に狭い)で市街化も進んでいますから、新たな宅地造成とか行われる余地は年々少なくなっています。市街化区域内の田畑はあらかた宅地になっていますし、ところどころ残っている200坪クラスの田畑は分譲業者さんがまとめて買い上げていくので、注文住宅用地にピッタリの50坪前後の土地は出てきません。 
 
その上、土地の値段は周辺の市町と比べて少し高め。市内に3つある駅の中でも特急停車駅である岩倉駅は顕著で、徒歩圏内だと坪単価が50万円を超えるエリアもあります。下手すると50坪前後の土地で2,500万円とかする訳です。この上に建物を乗せると総予算は5,000万円を越えかねません。 
 
各駅停車しか止まらない大山寺駅や準急停車駅の石仏なら坪単価20万円台の土地もありますが、駅からの距離だったり土地の形状だったり条件を求めれば求めるほど値段は上がりますので、50坪前後の土地で1,500万円を下回ることはまず無いと思って差し支えないでしょう。あるとすれば、ほぼ間違いなく「難有り」の土地です。 
 
こんな市場であるにも関わらず、土地を探しているお客様から「子どもの学区を変えたくないので…」などというピンスポットの条件を出されると、ほぼお手上げとなってしまいます。お金に糸目をつけないとか、いくら時間がかかってもとか、そんな余裕があるならいざ知らず、ほとんどの方は予算にも時間にも限りがあるので、どこかで妥協しなければなりません。 
 
だからエリアが最優先という方は土地を購入して注文住宅を建てるのを諦め、それでも新築にこだわるなら建売住宅を、こだわらないなら中古一戸建てや中古マンションを買ってリフォーム、そしてエリアにはこだわらないけど注文住宅を建てたい!という強い意志をお持ちの方は市外に目を向けて土地を探す、となるのです。 
 
岩倉市で新築を手掛ける工務店なので、市外出身の方が岩倉で家を建ててくださるのはとても嬉しいことなのですが、ここ数年で土地の値段がすっかり上がってしまいましたので、どなたにもお勧めすることができません。ですので、これから家を買いたいという方は、「何のために家を買うのか」「そのために最優先すべき条件は何なのか」ということをよくご夫婦・ご家族で話し合い、ブレない判断基準を持った上で行動していただきたいと思います。