2020.07.26
台風で窓が割れたら屋根が飛びます
大雨による深刻な被害が各地で発生していますが、これからの季節は台風との戦いにも備えなければなりません。昨年は大きな台風が2つとも運良く東海地方を直撃しなかったので油断しているかもしれませんが、地球温暖化による気候変動の影響で日本付近における猛烈な台風の出現頻度が増加し、接近時のコースも従来より東側にずれると予想されています。いつ直撃してもおかしくないと考え対策する必要があります。
これまでの台風は九州・四国など西日本に上陸することが多く、東海以東で大きな被害が発生することはあまりありませんでした。台風に直撃されやすい地域では被害を受ける度に強い建物に入れ替わっていきますが、直撃の少ない東日本はそうではありません。昨年千葉県であれだけの被害が発生したのにはそういう背景があるのです。
そんな訳で、東海地方で暮らす私たちにとっても他人事ではありません。8月から10月にかけて続々と発生する台風に備えるため、今のうちに住まいの弱いところを補強するよう検討を始めてください。補強すべきポイントは屋根や外壁、開口部などいろいろありますが、ことさら強調しておきたいのは「窓」です。
窓ガラスは衝撃力に弱く、強風時のガラス被害のほとんどが瓦や砂利、枝など飛来物によるものですし、割れたガラス片によるケガが人的被害として最も多くなります。さらに、ガラスが割れて大きな開口部が生じると室内の気圧が上昇し、天井や屋根を外側に押す力が急激に大きくなるため、屋根が飛ぶような重大な被害につながってしまいます。屋根が飛ばなかったとしても、開口部から雨が吹き込むことにより家財が濡れて使い物にならなくなったり、カビや異臭が発生して全面リフォームが必要になったりすることもあります。
これらの被害を防ぐためには、窓にシャッターや雨戸、面格子を取り付けて飛来物からガラスを守ることが最も有効です。それが無理なら、割れても穴が開きにくく破片が飛び散らない合わせガラスを用いたり、飛散防止フィルムを貼ったりすることも効果的です。さらに、飛来物に襲われるのは1階だけとは限らないので、2階以上の窓にも対策を施せば万全であると言えるでしょう。
もっとも、すべてのご家庭でここまでの対策ができる訳ではありません。できることは建物ごとに異なります。これを読んで「じゃあ我が家はどうしたらいいの?」と不安になった方はお気軽にお問い合わせください。状況と予算に合わせた最適な対策を提案させていただきますね。